夏家電の駆け込み需要が拡大 EC化率42.9%の家電業界が狙うべき販売戦略【2025年版】

夏家電の駆け込み需要が拡大 EC化率42.9%の家電業界が狙うべき販売戦略【2025年版】

家電のEC化率が42.9%に達し、本格的な夏の到来を前に冷房器具をはじめとする家電の需要が急拡大しています。気象庁によると、2025年の夏は全国的に気温が平年を上回り、猛暑となる可能性が高いと予想されています。今回は、調査データをもとに夏の売れ筋家電のトレンドを読み解き、ビジネスに活かすためのヒントを探ります。


EC化率42.9% 家電業界のオンライン販売が急成長する理由

そもそも家電はEC販売との相性が特に良い分野です。経済産業省の調査※1によると、2023年時点で家電のEC化率(売上に占めるオンライン販売の割合)は約42.9%に達しており、物販全体の平均である約9.4%を大きく上回っています。

その背景には、家電ならではの商材特性があります。家電は製品の型番が統一されているため、オンライン上でスペックや価格を比較しやすく、購入の判断がしやすい点が挙げられます。大型家電は店頭で購入しても配送になるため、オンラインでの購入と大きな差がないことも理由のひとつです。

また、家電は季節によって需要の傾向が異なり、夏は冷房家電や冷蔵庫、美容関連のカテゴリーの動きが活発になりやすい時期といえます。夏本番を迎える前に、早めに購入を検討する人も少なくないようです。以下に具体的に見ていきましょう。

  • 冷房家電(エアコン、扇風機、サーキュレーターetc)

特に6月から7月上旬にかけては、本格化する夏に備えた買い替えや新規購入が集中する時期で、需要が一気に高まります。気温の上昇とともに、エアコンや扇風機などの冷房器具を求める動きが活発になり、販売台数は年間を通じて最も多くなる傾向があります。

  • 冷蔵庫・セカンド冷凍庫

夏は冷凍食品の保存や飲料の冷却需要が増えるため、家庭内の冷凍スペースが不足しやすくなります。そのため2台目の冷凍庫(セカンド冷凍庫)を導入する家庭が増加傾向にあります。さらに、リモートワークの定着により内食需要が拡大し、冷凍食品の購入量も増加しており、保存スペースの拡充が追加購入の要因となっています。 Yahoo! ショッピングのアイテムマッチのデータ※2によると、冷蔵庫・冷凍庫の需要は7月~9月にかけてピークを迎える傾向があり、猛暑への備えとしての買い替えや、容量不足に対応するための追加購入が進んでいる状況が見受けられます。

  • ボディメイク系・美容家電

夏は肌の露出が増える季節ということもあり、美容や健康への意識が高まる時期です。また、紫外線対策や肌ダメージケアへの対策も、購買意欲を喚起するきっかけとなっています。

過去の大手家電量販店5社のPOSデータ※3からは、美顔器やヘアケア機器、フィットネス関連の美容・健康家電の販売が伸びているのがわかります。


夏家電の需要を売上拡大につなげる3つの戦略

夏に向けて高まるこうした需要をうまく取り入れるために、参考にしたい3つのポイントをご紹介します。

1. カスタマー対応の工夫・仕組み化

オンラインでもオフラインでも、スムーズなコミュニケーションは購買意欲に大きく影響します。まず問い合わせ方法をわかりやすくし、丁寧でできるだけ早い対応を心がけることが大切です。ちょっとした工夫でも、安心感や納得感のある購買体験につながります。 高価格帯の場合には、第三者の口コミや、インフルエンサーによる推奨も購買の後押しとなります。また、店舗側としても、オンラインで説明の機会を設けるなど、リアルに近い接客体験を取り入れることで、より安心して購入してもらえる環境を整えることができます。

2. オンライン購入特典のキャンペーン (割引、送料無料、店頭受け取りサービスによる割引など)

期間限定の割引や送料無料、レビュー特典などは、オンラインで迷っている人に「買おう」と思わせるきっかけになります。 ネットで注文して店舗で受け取れる「店頭受け取りサービス(BOPIS)」は、ユーザーにとって送料不要のメリットがある上、来店時に追加で買い物してもらえる機会を創出することもできます。 こうした特典やサービスは、季節のニーズを踏まえキャンペーンとして打ち出すことで、「今だけ」という特別感を演出でき、短期間での売上アップにもつながります。

3. 分割払いの訴求

夏に需要が高まる高価格帯の商品は、分割払いをうまく活用することで、月々の支払い負担を軽くし、購入の後押しにつなげることができます。 特に「今すぐ必要だけど一括では買いにくい」と感じる若年層や、新生活を始めたばかりの人には効果的です。 オンラインストアに分割払いのシミュレーション機能を設ければ、購入後のイメージがしやすくなり、さらに購買意欲を高めることが可能です。特に美容家電は20〜30代の利用者が多いため、分割払いとの相性も良く、導入によって売上アップが期待できます。


家電業界で注目されるBNPL決済の導入効果

こうした分割払いの仕組みをスムーズに取り入れる方法として、注目したいのが「Smartpay」です。手数料・利息なしで3回払いができるSmartpayは、「今すぐ欲しいけど、まとまった出費は控えたい」というユーザー心理に寄り添い、購入の後押しにつながります。 さらに、導入のハードルが低く、短期間でECサイトに組み込める手軽さも事業者にとっての魅力。コンバージョン率の向上や機会損失の防止にも貢献できるため、夏の駆け込み需要を確実に取り込む施策としておすすめです。

猛暑予想の2025年夏、家電需要の高まりを確実に売上につなげるために、Smartpayの導入をぜひご検討ください。


参考文献

※1  経済産業省、令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書
※2  Yahoo!ショッピング 成功ノウハウBLOG、年間実績からみるYahoo!ショッピングの家電カテゴリトレンド~広告をどう使う?~
※3 日本家庭電化製品修理業協会、【家電量販月次売上】記録的猛暑で7月は好調に推移