リピーターを増やすには? 信頼を築く「分割払い」の効果とは

リピーターを増やすには? 信頼を築く「分割払い」の効果とは

ビジネスを安定的に成長させるには、既存顧客のリピート利用を促すことが重要です。新規顧客獲得には既存顧客維持の5倍以上のコストがかかることが知られており、わずか5%の顧客離れの改善で利益率が約25%向上すると言われています。

顧客と信頼を築きリピーターを増やす手段として、最近注目されているのが「決済の多様化」です。経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン」(※1)によれば、キャッシュレス化が進んだことにより、消費者が求める支払い方法は多様化しています。こうした背景から「分割払い(BNPL:Buy Now, Pay Laterを含む決済サービス)」に対する要請が高まっています。

分割払いは顧客の支払い負担を軽減し、安心感と満足度を高めることで、ブランドへの信頼構築につながります。そのため顧客は再購入を検討しやすくなり、リピーター増加が期待できます。

本記事では、分割払いが顧客との信頼関係をどのように築き、リピーター獲得を支援するのか解説します。


分割払いが信頼関係構築に役立つ理由

1. 分割払いがもたらす安心感と購買促進

分割払いは、支払い総額を分けることで、消費者に予算管理のしやすさという安心感をもたらします。一括払いによる大きな出費が不要となり、毎回の支払い額を抑えられるため、購入時の心理的な負担を軽減できます。

実際、米国の大手後払い・分割払いサービス企業の調査(※2)では、消費者の約半数が予算をより効果的に管理できることを分割払い・後払いを利用する動機として挙げており、分割払いの利用が心理的負担の軽減と安心感の向上につながることが示唆されています。

2. 快適な決済体験による顧客満足度の向上

オンラインショッピングの普及に伴い、消費者は商品の品質や価格だけでなく、支払いプロセスの快適さも重視するようになっています。

オンライン決済の不正防止ソリューションを提供するForter社の「2024 Trust Premium Report」(※3) によれば、安全で簡単なチェックアウトと柔軟な支払いオプションは、顧客の継続的な購入を促す重要な要素となっています。

また同レポートでは、米国および英国の消費者の約80%が、チェックアウトの複雑さや使いにくさを理由に購入を中断(カート放棄)すると報告しています。

このように、顧客が求める支払い方法に柔軟に対応し、スムーズな決済体験を提供することが、顧客満足度の向上とリピーター獲得につながる重要な要素となります。

3. 柔軟な支払い選択がもたらす顧客ロイヤルティ

ある調査 (※4) によれば、特定の企業やブランドにロイヤルティを持つ顧客の91.8%が2回以上のリピート購入を行い、そのうち41.8%は10回以上のリピート購入をしています。またロイヤルティの高い顧客の38.7%が家族や友人にその商品やサービスを勧めており、信頼関係が再購入や推奨行動に大きく影響していることが示されています。

このように、信頼関係は顧客ロイヤルティを育む基盤となりますが、分割払いはその信頼構築の手段となります。分割払いは経済的なハードルを下げるだけでなく、顧客ニーズに柔軟に対応する企業の姿勢を表します。

高額商品の購入時や初めての利用においても、顧客は分割払いを利用することで安心して購入を検討できます。このような体験を通じて、企業は顧客のブランドロイヤルティを高めることが期待できます。


リピーターがもたらすビジネス効果

1. 購入単価と購入頻度の向上

米国で行われた調査 (※5) によると、後払い・分割払いの導入は消費者の支出増加につながることが明らかになっています。具体的には、後払い・分割払いの利用により購入確率が17%から26%に上昇し、購入時の平均購入額も導入前と比べて10%増加する傾向が見られています。

さらに、この支出の増加は一時的なものではなく約6カ月間継続しており、後払い・分割払い決済が一時的な売り上げ増加だけでなく、持続的な消費行動の変化をもたらすことを示しています。

2.購入機会の損失防止

柔軟な支払いオプションの提供はカート放棄の防止に効果があります。日本で実施された調査 (※6) によれば、希望する支払い方法が利用できない場合、消費者の25%が別のサイトでの購入を検討し、約11%は購入自体を断念することが明らかになっています。

この結果は、消費者が望む支払い手段を選択できない場合、購買体験の低下と売上機会の損失につながることがわかります。一方、分割払いなど柔軟な支払いオプションを導入することで、顧客ニーズに応え、購買意欲を高める効果が期待できます。

3. カート放棄率の低下

既存顧客の維持は、新規顧客の獲得に比べてコスト効率が高いことが知られています (※7) 。また、新規顧客の初回購入確率は約5~20%であるのに対し、既存顧客の再購入確率は約60~70%と高く、既存顧客のほうが購入に至る可能性が大きいとされています。

分割払いを導入することで顧客満足度とロイヤルティが向上し、既存顧客の維持がより効率的になります。こうした取り組みはブランド価値の向上と顧客基盤の拡大を促し、ビジネスの持続的な成長が期待できます。


まとめ

オンラインショッピングとキャッシュレス決済の普及により、分割払いは決済手段としてだけでなく、顧客体験を総合的に向上させる重要な要素となっています。経済的・心理的な負担の軽減、スムーズな決済体験、ブランドロイヤルティの向上により、分割払いは顧客とブランドの信頼関係を深め、リピーターの増加を促進します。

Smartpayは、手数料・利息ゼロの3回分割払いを提供し、こうした顧客ニーズに応え得る選択肢です。導入と運用が容易なため、すぐに活用して顧客満足度・ロイヤルティを高めることが可能です。ぜひ一度Smartpayの導入をご検討いただき、ビジネスの成長にお役立てください。


参考文献

※1 経済産業省「キャッシュレス・ビジョン

※2 affirm「New Research Reveals Consumers Are Spending Smarter, Not Less This Holiday Season

※3 Forter 「2024 Trust Premium Report

※4 アルティウスリンク株式会社「企業とお客様とのコミュニケーション実態2023

※5  Harvard Business Review「How “Buy Now, Pay Later” Is Changing Consumer Spending」by Dionysius Ang and Stijn Maesen

※6 Statista「Impact of Payment Method Availability on Cart Abandonment in Japan

※7 Harvard Business Review「The Value of Keeping the Right Customers